前回の「余市蒸溜所見学(前編)」に引き続き、今回も余市蒸溜所見学の記録です。まだお酒のレビューはほぼ出てきませんので、お酒レビューを見にきた方はスミマセン、、。

 今回はニッカウヰスキー余市蒸溜所の製造工程見学がメインの内容となっています。

 それでは早速見学しましょう!


  • 余市蒸溜所見学開始
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 敷地内はこの様な感じです。1934年に工場が完成し1936年からウイスキーづくりを開始しました。これらの建物は多くが国の重要文化財に指定されています。傘を差しながらガイドさんについていきます。


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 まず最初に向かったのは乾燥棟(キルン棟)というところです。発芽した大麦を乾燥させてウイスキーのメインとなるモルトを作ります。無煙炭やピート(泥炭・草炭とも)という自然の堆積物を燻して乾燥させます。余市ウイスキーの独特なピート香はここでつけられているんですね。ニッカウヰスキー創始者の竹鶴氏が、余市を建設場所に選んだのは、ピートが入手しやすいという理由もあります。現在は原料となる麦などはスコットランド産のものも使用しています。
 写真は本物のピートです。塊、、、って感じでした。


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 次に向かったのは発酵棟です。糖化した麦汁(マッシング)を濾過し、酵母を加えて発酵させます。そうすると糖分がアルコールへと分解されて、アルコール度数7〜8度の発酵液「もろみ」ができます。味はビールからホップを抜いたような感じだそうです。
 このエリアに入るとビールや焼酎のようなお酒の匂いがぷ〜んと漂っています。
 前回見学時は工事中で、このエリアには入れませんでした。

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 屋内のもろみタンクを見ることもできました。ガラス越しですがたくさんの大きなタンクが並んでいて迫力があります。


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 お次が蒸溜所のメダマでもある蒸溜棟です。竹鶴氏の実家が日本酒をつくっていたらしく、その風習で蒸留器にもしめ縄があります。毎年元旦に新しいもので締め直しているそうです。
 ここで先ほどのもろみを加熱します。アルコールと水の沸点の差を利用し、アルコールと香味成分を抽出します。蒸溜されたものを冷やして液体に戻し、もう一度蒸溜をします。
 分かりづらいかもしれませんが奥から3番目にある小さな蒸溜器は1936年から置いてあるものだそうです。現在は使われていません。

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 ここで私が前回見れなかった、石炭直火蒸溜の様子が披露されました。伝統的ですが、手間などの関係で今はほぼ見かけない方法です。そのため現在だと石炭直火蒸溜をしているのは世界でも余市だけだそうです。見ることができ感激です。
 奥から順々に蓋を開け3回ほど石炭を中に放り込みます。見学者が来るたびに行っているのでしょうか。
 蓋を開けると中は煌々と眩しく燃えています。熱波がブワッと溢れ出ます。この日の気温は12℃前後、寒かったのでこの熱がありがたかったです。


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 蒸溜棟を出てガイドさんについていきながらコースを進みます。途中にリタハウス(リタ夫人の家。カフェやウイスキー研究も行われていた)や旧事務所竹鶴邸銅像などを見ました。竹鶴邸や旧事務所は一部中に入って見ることができます。帰りの際に各自自由に見ることになります。


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 一号貯蔵庫に到着しました。たくさん並ぶ貯蔵庫の中の一つです。静かでひんやり、少し埃っぽい樽の香りがしています。樽貯蔵をすると木材の呼吸により少しずつ中の原酒が揮発します。20年貯蔵すると半分くらいに減るそうです。これを「エンジェルズシェア(天使の分前)」と言います。
 余市には1番古いもので1945年から貯蔵されているものがあるそうです、、、どんな味になっているんでしょうか。
 
 この後、無料試飲場で解散となります。あとは各自お土産や有料試飲、ニッカミュージアムなどを楽しみます。


  • 無料試飲を楽しむ
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 レストランのある建物の2階に無料試飲会場があります。会場には恐るべきボトル達が飾られています。こちらは余市や竹鶴、鶴の年数表記ボトル達。

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 1番上にあるのは余市1986余市1987。お値段をネットで調べるとぶっ倒れます。他に昔のシングルモルト余市である北海道12年、少し前終売となったザ・ニッカ12年。他にキングスランドや旧スーパーニッカなど歴史を感じる棚です。

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 この場所、実は私のプロフィール画像の背景です。分かった人いるかなあ、、?

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 アルコールを飲むか飲まないか入場の際に確認されます。私は試飲のためにバスで来たのでもちろん飲みます。前回は1つしか選べなかったのですが、今回はスーパーニッカシングルモルト余市アップルワインを全て楽しめます。嬉しい!ちなみにアルコール飲まない人はリンゴジュースを楽しむことができます。

 氷や水、常温水、炭酸水はセルフサービスで、色々な飲み方で楽しむことができます。
 私はスーパーニッカをハイボールで、他はストレートでいただきました。シングルモルト余市だけはちょびっとしか入っていないのでチビリチビリと楽しみました。工程をひとつひとつ見てから味わうウイスキーは、より美味しく感じます。
 「シングルモルト余市」 「スーパーニッカ」はそれぞれレビューを書いているので是非ご覧ください。
 アップルワインは予想以上に甘口でした。蜜りんごに追い蜂蜜をしたようです。これは結構酔っ払いそう。


 次回、お待ちかねのお土産屋さん、ウイスキーミュージアム、有料試飲と怒涛のクライマックスです。「余市蒸溜所見学(後編)」へと続きます。