今回は(試飲編Ⅲ)の続きです。ウイスキーフェスには数えきれないほどの興味深いボトルがありこれで帰るのは勿体無いのです。
 前回はBARfishborn&モルトヤマのグレンギリーベンネヴィスタリスカー18年アードベッグヘビーウェーバー、そしてアードベッグ25年を試飲しました。シングルモルトスコッチの旅でしたね。さてさてお次はどこに行こうかな。


  • ラフロイグ25年
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 とあるBARのブースに来ました。ここにも私好みのボトルがずらり。この会場に来た時からラフロイグ25年が目に入り、飲みたい飲みたいと思っていました。満を持して注文。

 ラフロイグは過去にレビューしているのでぜひ「ラフロイグ」タグをご覧ください。
 ラフロイグ25年は2007年から毎年数量限定で発売しているラインナップです。こちらは2018年にリリースされたもの。近年の25年は基本的にカスクストレングスで本ボトルの度数は52度ファーストフィルバーボン樽オロロソシェリー樽での熟成原酒を使用しているそうで表記ある通り最低25年以上熟成しています。ボトルはネットだと80000円前後で売られています。試飲価格は1000円。またまた25年もののアイラモルトをいただいちゃいます。
 お味は結構優しいながらもちゃんと感じる潮、ライム。レモンと胡椒をかけて屋外でバーベキュー。というよりこれは海辺の優しい風吹くバーベキューですね。僅かに乳酸系とまろやかなフルーツ。刺激は少し遅れてビリビリとやってきます。ラフロイグ10年は個人的に少し飲み疲れてしまいましたが25年にもなるとそんなことはなく。一つの風景が浮かぶような味ですね。加水しながら楽しみたい一品でした。


  • ザ・マッカラン エディションNo.2
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 同じお店で2杯目にマッカランのエディションシリーズをいただきます。マッカランは過去にいくつかレビューをしていますので「ザ・マッカラン」からご覧ください。エディションシリーズは商品の生産細部までを明記しマッカランの作り方を追う限定生産品です。エディションシリーズはたくさん種類があるので一般的に人気が高いのはどれかを質問してみたところNo.2をオススメされました。ちなみに隣に見える激レアウイスキーサントリー風雅もおすすめされましたが今回はパスしました。

 このオレンジ色のエディションNo.2は2013年と2015年に世界ベストレストランで第1位に輝いたエルセレールデカンロカのシェフ、ソムリエ、パティシエがマッカランディスティラーと樽を選びヴァッティングしました。
 4つの樽製造所から7種の樽を選び、合計372の樽で熟成したもの使用しています。アメリカンオークヨーロピアンオークのシェリー樽がメインです。裏に詳細が書いてあるのでと箱の裏も見せてくださりました。しかもよく見たらわかりますがカップいっぱいに注いでもらえちゃいました。サービスに感謝。
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 アルコール度数は48.2度。ボトル価格は少し前まで20000円前後でしたが今Amazonを確認すると150000円でした。マッカランって怖いですね。試飲価格はエディションシリーズ全て1000円均一。いただきます。
 あ〜久しぶりマッカラン。結構模範的な味わいというかバランス良く感じます。重みのあるレーズンも、ドライフルーツの煙と樽香もマッカラン特有の美味しさを満足いくまで楽しめます。面白いというより安定志向、48.2度ながら刺激はほとんど感じず。2万円なら買っていたかもなあと思える良作マッカランでした。


  • シグナトリー ラフロイグ1998
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 近くでウイスキー輪投げなるものが開催されていました。輪っかを投げてかかったボトルを飲めるというルールです。1人3回1000円。で一度も輪をかけることができなかった人はこちらのシグナトリーのラフロイグが飲めます。つまり結果はそういうことです。しかし残念賞みたいな感じになってますがそんなことない十分ヤバいボトルですよこれは。

 シグナトリーはノンチルフィルターノンカラーリングにこだわるボトラーズ会社。樽のスペックを詳細にラベルに書くというシングルカスクボトリングの礎を築いたとも言われています。ボトラーズについては過去に軽く説明していますので「こちら」をご覧ください。
 ラフロイグについては先程の通りです。今回は1998年蒸留2014年ボトリング約15年熟成のシングルカスクで、熟成はリフィルシェリーバット。アルコール度数は46度です。ボトル発売当初は10000円以内で購入できたそうですが今は50000円を超えています。
 香りはとても樽の香ばしさが強いです。檜、硫黄、燻煙、かなり甘さ控えめのいちごジャム。温泉街が思い浮かぶような旨さ。これ10000円ならめちゃくちゃ欲しいなあ。


  • ザ・ニッカ40年
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 何を飲もうかな〜とふらついているとしれっとこちらが置いてありました。二度見しちゃいました。うそでしょ、、。今回私がこのフェスで飲んだ中で価格だけだと最高額のものになります。ちなみに向かいのお店にはハイランドパーク40年があり少し悩みました。

 ザ・ニッカ40年はしばらく前に投稿した「余市蒸溜所見学」の有料試飲コーナーで空き瓶を見せてもらったことがあります。「有料試飲1杯1万円だったけど、数時間で完売した」というお話をまるで伝説のように聞いていましたがまさかそれを飲めるとは、、。
 ザ・ニッカは余市蒸溜所宮城峡蒸溜所のモルト原酒とカフェグレーンをブレンドしたブレンデッドウイスキーです。現在はノンエイジの「ザ・ニッカ テーラード」が販売されています。過去にレビュー済みですのでよければご覧ください。

 ザ・ニッカ40年はニッカウヰスキー創業80周年、創業者である竹鶴政孝氏の生誕120周年を記念して2014年700本限定発売されました。
 1945年蒸留の余市モルト1969年蒸留の最も歴史ある宮城峡モルトをブレンドしていて、ニッカ史上最長熟のウイスキーとされています。当時の参考小売価格は税別500000円。現在そもそも売っていることは少ないのですが、検索してみると2400000円(楽天市場参照)でした。これは多分一生飲めないです。試飲価格は5000円。一緒にいた人はこれ飲むの?と言っていましたが私は良心的価格だと思います。絶対この機会に飲みたい。
 元々ザ・ニッカは結構好きでしたがまさか40年を試飲できるとは。液色はとても濃い赤褐色ですね。香りは年季のこもった家具、古びた樽がしっかりと。極限まで高めつつ馴染んでいるあのバニラと蜜のニッカ香。お味は意外にもマスクメロンシャーベット。しばらくしてから思い出すかのように蜜とスモークがふっと香りトロピカルなニュアンス。フルーツの甘さがすごい!この爽やかタイプの甘さと古びた木香が見事に同居していて驚きました。頭の中は木の器に乗る小さなメロンシャーベットにマンゴーを添えている光景。こんな長熟でもデザートみたいな味わいを美味しく感じさせてくれるのですね。もう一杯飲みたいわ〜と言いながらこのブースを後にしました。


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 会場中央から音楽が聞こえてきたので観に行くとスコットランド民族衣装に身を包む楽団が。バグパイプと太鼓の演奏でした。初めて生の音を聞きましたがいかにもな音ですね。中々今の音楽では聞かない音色です。お見事でした。ちょうどラフロイグとマッカランを飲んでいたのでスコッチを飲みながらスコットランドの音色を楽しみました。何だか感動して涙出そうです。いや〜乙ですなあと思い満喫しながら今回はここまで。

 次回の(試飲編Ⅴ)もぜひよろしくお願いします。