今回は(試飲編Ⅳ)の続きです。未読の方はぜひ入場編からご覧いただけると嬉しいです!
 前回はラフロイグ25年シグナトリーのラフロイグ15年マッカランエディションNo.2、そしてザ・ニッカ40年を飲み感動しまくっていました。
 前回は全て有料試飲だったので今回は無料試飲や低価格の試飲が多いコーナーを巡りました。流石にフェスシリーズが長くなりすぎているので駆け足でいきますよー!


  • 火の帆 
ブーケリキュール ハマナス
IMG_6502
 積丹ジン火の帆のブースに来ました。ブースのお兄さんに声をかけられ詳しく教えてくださり、リキュールをオススメされたので試飲。ちょっと試飲価格は忘れてしまったのですが、無料か100円くらいだったと思います。
 火の帆は2018年創業の株式会社積丹スピリットが作るジンやそのシリーズです。イギリス、スコットランドで5年の修行の後80種類のボタニカルを自家栽培して製造しています。地元の積丹町再興のためにも町を挙げての事業となりました。ちなみに積丹にある岬の湯って温泉は私のお気に入りです。
 ジンを飲もうかなと思ったのですがおすすめされたリキュールも気になったので試飲。ハマナスローズの華やかさとハイビスカスの酸味を加えたシロップ調のリキュールです。
 お味はトロリとして確かにシロップ。甘酸っぱくてプラムジュースのよう。梅酒好きな人ならロックでもいけちゃいそうです。様々なカクテルに合わせて幅が広がる味を試したくもなりますね。火の帆ジンも周りから結構オススメされるので今後も要チェックです。


  • シングルモルト安積
2023エディション
IMG_6503
 安積のブースです。正直に言うと安積ウイスキーは聞いたことはありますが飲んだことも調べたこともなかったです。ただ聞いたことがあるということは有名=ここで飲むべきと思い寄りました。いただいたのは安積2023リミテッド
 安積は福島県にある笹の川酒造がつくるウイスキーで、東北唯一の地ウイスキーをつくる蒸溜所です。ウイスキー作りに重要な風土、特にを重視した風の蒸溜所です。安積平野特有の気候を活かし、2004年に閉鎖された羽生蒸溜所の樽の一部を貯蔵庫で受け継ぎ使用しています。
 シングルモルト安積2023リミテッドノンピート麦芽バーボンバレルで熟成した原酒をメインにしています。アルコール度数は50度で販売価格は12100円。現在ネットだと20000円前後で入手できます。試飲価格は無料。ウホホ。
 お味はとてもジューシー。洋梨の味わいがメインですがみずみずしく、種の渋みのような味わいもあります。これは飲む果物ですね。加水をしても楽しそう。ハイボールにも合いそうですね。


  • 静岡ユナイテッドS
IMG_6504
 こちらは話題になることが多い静岡蒸溜所のブース。「静岡Kください」と注文すると売り切れとのこと。確かに空です。唯一残っていたシングルモルトはSでした。そもそもシングルモルト静岡は飲んだことがなかったのでどれか一つ飲むことができれば大満足です。

 ガイアフロー静岡蒸溜所2014年静岡県に設立し蒸溜所で軽井沢蒸溜所の初留釜を移設して使用しています。静岡蒸溜所には2基の初留用蒸留機があり、歴史ある1950年に製作された軽やかで華やかな味わいを出すK、薪直火蒸留で力強い味わいを出すWがあります。今回のSはそれらKとWをブレンドしたものとなります。
 ファーストフィルのバーボン樽をメインにワイン樽熟成原酒なども使用。アルコール度数は50.5度日本国内販売数5000本で希望小売価格は9845円、現在ネットでは20000円くらいで売られています。試飲価格は無料。ギェ〜。
 中々希少且つ高価で手が出せないウイスキーでしたが味見したいと思います。
 お、香りよりも意外ねっとりしてますな。バニラ、メロンドロップ、シンプルな甘い香りと味わい。余韻にハイチュウ。少しえぐみのような感覚がありお菓子、駄菓子のような懐かしい味わいを思い出します。KとWも飲みたくなりますね。


  • オルトモア12年
IMG_6505
 デュワーズのブースにやってきました。「デュワーズホワイトラベル」「デュワーズ12年」はもちろんのこと、キーモルトであるアバフェルディロイヤルブラックラ、そしてこのオルトモアも試飲できます。ちなみにオルトモアはVAT69ジョニーウォーカーにも使用されています。
 オルトモア蒸溜所は1897年創業ハイランド地方とその中にあるスペイサイド地方のちょうど中間地点くらいにある蒸溜所です。ノンピート麦芽を使用していますが仕込み水にフォギーモスの泉から使用しています。ここは泥炭地のため、ノンピートながらスモーキーさを微かに感じられるウイスキーでもあります。オルトモアはゲール語で「大きな小川」を意味します。大きいんかい小さいんかい。
 オルトモア12年は最もベーシックなラインナップとなります。アルコール度数は46度、価格は6500円前後。試飲価格は上記ラインナップ含めほぼ全て無料。アヘェ。
 お味はのっぺりとした心地良さ、りんご、工業地帯。ラベルデザインで連想する霧の中にあるというイメージが確かにぴったり。何だかモヤモヤモワモワした感じが漂ってガツンとくるものはないけど余韻が長いんです。1杯で長時間楽しめました。様々な種類の味をもつウイスキーを家にコレクションしたいならオルトモア、中々外せませんね。



  • 厚岸 大寒
  • 厚岸 大暑
IMG_6506
 厚岸のブースは来た時からどこまで並んでるのか分からないくらい行列ができていました。それで夕方に出直すと空いていたのでチャンスと飛びつきました。厚岸は話題なのに手に入らないのですよね、北海道民だから尚更飲みたいのです。
 厚岸蒸溜所2016年から製造を開始した北海道の蒸溜所です。その後リリースしたボトルはWWAISCWSCと世界中のコンテストで多くの受賞をしました。蒸留器はアイラ島に多いタイプのストレートヘッドオニオンシェイプ型。熟成にはミズナラ樽も一部使用しています。

 厚岸大寒は日本の季節を表す言葉を冠した二十四節季シリーズの一つ。厚岸モルトが大半を占め輸入されたニューポットのグレーン厚岸で3年以上熟成し使用したブレンデッドウイスキーです。アルコール度数は48度。希望小売価格は14300円でネットだと20000円前後が相場でしょうか。試飲価格は無料。ホゲー!
 お味はかなりのスモーキー。しかも塩辛い!塩をしっかりとかけた肉料理。フルーティーに洋梨。これはアイラモルト好きも楽しめる癖の強さ。目隠ししたらスコッチかな?と思ってしまうかも。

 お次に厚岸大暑。あえて真逆の名前を選んでみました。同じく二十四節季シリーズの一つです。今度はミズナラ樽で熟成した厚岸モルトをメインに使用したブレンデッドウイスキーです。アルコール度数は同じく48度。希望小売価格は13200円で、ネットだとやはり同じく20000円前後が相場ですね。試飲価格はやはり無料。グェー!
 お味は、先程とは全然違いますね!粘り気のある強い甘さ。これはキャラメル。その後感じる強い塩。塩キャラメルですね。この甘さは独特にじっとり残るのでホント塩キャラメル好きにはめちゃくちゃ刺さるウイスキーだと思います。


 いやいや、今回これら飲みまくってほぼ無料ですからね、、、。入場料5000円は全然高いと思えません。色々な日本の新興蒸溜所のウイスキーを楽しめたと思います!
 次回で試飲編は完結しそうです。ここまで読んでいただいた方、お疲れ様でした。もう少しだけお付き合いください。(試飲編Ⅵ)でお会いしましょう。