本日のお酒はこちら!

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グレンモーレンジィ 
バカルタです!

 こちらは先日度々登場する師からプレゼントでいただいたものです。一緒に飲もうと勢いで封を切ってしまってから写真を撮りました。師はどんなボトルを選んでくれたのかじっくり調べて味わいましょう。


  • グレンモーレンジィ 
バカルタの概要


・種類:ウイスキー

・カテゴリー:シングルモルト スコッチウイスキー

・価格:20000円前後(定価税込11880円)

・定価での入手難易度:かなり高

・アルコール度数:46度

・特徴:「静寂の谷」ことグレンモーレンジィはスコットランドのハイランド地方を代表するシングルモルトウイスキーです。
 グレンモーレンジィ蒸溜所は1849年から稼働を開始した老舗です。現在ではシングルモルトスコッチの売り上げベスト5に入るほどで、地元スコットランドでは最も人気のあるシングルモルトとも言われています。

 製法についても特徴が多く、硬度の高い硬水を使用していること、クビがキリンのように長〜いポットスチル(蒸留器)で蒸留を行うことなどが挙げられます。
 特に樽熟成の技術は折り紙付きで、様々なワインやシェリーなどの樽熟成を行っていますね。カスクフィニッシュ(後熟、追熟、ウッドフィニッシュなどとも)という形式を初めて市場に投入したのもグレンモーレンジィで、これは例えばAの樽で10年熟成した後、何かしらの違うBの樽で半年ほど追加で熟成しましたって感じのイメージです。このように熟成の方法や熟成樽の種類に先駆的な蒸溜所でもあるためグレンモーレンジィは「樽のパイオニア」なんて呼ばれることもあります。

 グレンモーレンジィについては今までいくつかご紹介してきましたので「グレンモーレンジィ」のタグからぜひご覧ください。

 今回ご紹介するグレンモーレンジィバカルタはプライベートエディションというシリーズの第8弾として登場しました。このプライベートエディションはグレンモーレンジィ蒸溜所の蒸留・製造最高責任者であるビルラムズデン博士がもつ構想や貴重な原酒が詰まった「博士秘密のキャビネット」を活用し1本のボトルを作り出すというテーマです。
 このプライベートエディションは2019年の第10弾まで続いていますね。今回の第8弾は2017年に登場したものです。

 バカルタとは「太陽を浴びた」という意味のゲール語で、ポルトガルの陽光を浴びた1本となっています。
 このグレンモーレンジィバカルタの特徴はバーボン樽で熟成させたグレンモーレンジィの原酒をベースに、マムルジー種という品種を使った最も甘口タイプのマディラワイン(ポルトガル南西部のマディラ島でつくられる酒精強化ワイン)を2年ほど熟成させた樽で後熟をしています。
 このマディラワイン樽はマディラ島の太陽光をたっぷり浴びて熟成を進めるため今回のボトルはバカルタという名前がついたのですね。ちなみにこのバカルタで使用されたマディラワイン樽はわざわざグレンモーレンジィの酒質に合うようにワインの段階から作成された特注の樽らしく、そのために作られたワイン本体の方はポイされちゃったのだとかされてないだとか。ちょっと勿体無いというか飲んでみたいですよね。
 それらのこともありマディラワインの製造元とはかなり交渉を重ねてこの構想を実現させたそうでビルラムズデン博士も「もうやらねぇわ」的なコメントを残しているので後にも先にもバカルタでしかこのテーマのグレンモーレンジィは味わえないかもしれませんね(BARvirgoあるじの小言ウイスキーラバーズ名古屋2017の記事参照)。

 マディラワインを予習として飲んでみたかったのですが中々タイミングが合わずそちらは未飲というのが正直なところですが一つのウイスキーとして楽しんで行きたいと思います。


  • グレンモーレンジィ 
バカルタ 実飲
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 グレンモーレンジィのこういう限定ボトルってコンセプトもデザインも名前も何か色々かっこよくてコレクションしたくなりますよね。売るのが上手いなあとよく思います。

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 グレンモーレンジィ18年(左)と比較してみましょう。バカルタは18年と比べると液色はやや明るさがありますがしっかりとしたゴールドですね。

  • グレンモーレンジィ バカルタの香り
 鼻から流れ込む煙のような濃ゆい蜂蜜、レーズン、熟したプラム、アプリコットジャム、開栓してしばらく置くとどこか葉っぱハーブ系の爽やかなニュアンス。どす甘いのにどこか爽やかな風を感じられるのが面白いですね。

  • グレンモーレンジィ バカルタの味
 すぐに広がるのはフルーツに蜂蜜を豪快にかけたような甘味。白桃缶のシロップ、ブラックチェリータルト、熟したオレンジから徐々にその皮へと移行するように味わいも苦味へシフトします。余韻にはビターが占めるので飲み口はめちゃくちゃ甘いのに飲み終わりにはビターというこれまた面白い感覚。少し置いてから飲むとオレンジサイダー、オレンジキャンディーといった爽やかながらオレンジ味のお菓子などを食べたような口の中に。
 加水をするとフルーツにフレッシュ味が増し、更に足していくと酸味や苦味がより出てきます。ここいらは好みですかね。

  • グレンモーレンジィバカルタハイボール
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 ハイボールにしてもすぐにその特徴的な甘みが楽しめますね。なんだか三ツ矢サイダー桃味を思い出すような甘さです。重めの味わいながら意外とネガティブな要素は出てこないので甘いハイボールを1杯だけ飲みたい時にはオススメです。


  • グレンモーレンジィ 
バカルタの感想


香り:★★★★★☆

味:★★★★☆☆

ハイボール:★★★★☆☆

面白さ:★★★★★☆

デザイン:★★★★☆☆

コスパ:★★★☆☆☆

宅飲みオススメ度:普通

総合点:★★★★☆☆

カイ太郎コメント:甘いマスクから放つミステリアスな魅力。

  • 感想
 中々興味深いボトルでした。総合点は5つ星★と悩みましたがとりあえず安定の4つ星★です。さすが面白いものを選んでくださる。
 基本は私好みのめちゃめちゃ甘いヤツですが香りの爽やかさや余韻に残るビターなどちょっと変化球飛ばしてくるのが面白くて何度も確かめたくなってしまうウイスキーでした。他グレンモーレンジィの甘口のラインナップがお好きならオススメできる一本です。グレンモーレンジィの18年と飲み比べていましたが、バカルタの方がベタな甘味がメインでこういうのは好みによるかと思われます。
 このボトルを味わって尚更思うのは他のプライベートエディションも試したいという気持ちです。気になるラインナップがいっぱいで困っちゃいますねぇ。元々お金がないのに収集癖がある私にとってはホント、、、。先人が口を揃えて言う「ウイスキーは沼」ってことがはっきりわかんだね。


 


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