本日のお酒はこちら!

IMG_7815
シングルモルト嘉之助
2023リミテッドエディションです!

 こちらは最近密かに(?)人気の日本の新興ウイスキーです。去年参加した札幌ウイスキーフェス2023でとても印象的なボトルだったため、もう一度飲みたいなぁと実はチラチラ頭の中に現れてきていました。手に入るうちに買っておこうと思い今回レビュー記事を書くに至ります。
 ようやく味を思い出したり色々な飲み方を試したりすることができる、、、!ワクワク


  • シングルモルト嘉之助
2023リミテッドエディションの概要


・種類:ウイスキー

・カテゴリー:シングルモルト ジャパニーズウイスキー

・価格:定価14300円
              実際は25000円前後

・定価での入手難易度:高

・アルコール度数:59度

・特徴:嘉之助蒸溜所は鹿児島県日置市にあり、2017年から始動した新しい日本の蒸溜所です。この嘉之助蒸溜所の大元は小正醸造という1883年創業の老舗で主に焼酎をつくるメーカーでした。初の全量オーク樽長期熟成焼酎であるメローコヅルなどが看板商品です。2021年からは小正嘉之助蒸溜所として独立しました。
 蒸溜所の周辺は火山噴出物からなる崖が多く(シラス台地)日本三大砂丘の一つである吹上浜が続いています。異国風な景色が楽しめるそうですよ。

 蒸溜所を開設したのは小正醸造の4代目当主である小正芳嗣氏。蒸溜所の名前となっている嘉之助とは2代目であり小正芳嗣氏の祖父の名前とのこと。焼酎作りの頃から長期熟成のノウハウを確立させウイスキーづくりに活かしています。小正醸造の焼酎工場ではグレーンウイスキーの製造も行っているそうですよ。鹿児島県のため夏は特に暑い気候だと思いますが冬は0度近くにもなる寒暖差が激しい地域。特に暖かい気候や寒暖差が急激な気候だと樽熟成が早く独特に進むと言われているので貯蔵庫のつくりにもよりますが嘉之助は独自の熟成感があります。鹿児島県はウイスキーの蒸溜所が多いので個性豊かなウイスキーが作りやすい地域なんでしょうね。

 2020年にニューボーンを、2021年に初めてのシングルモルトである嘉之助2021ファーストエディションを発売しました。そして今回ご紹介する2023リミテッドエディションは名前の通り2023年に発売されたリミテッドエディションとしては第4弾のラインナップとなります。
 特徴として、他の嘉之助ラインナップではノンピート麦芽が使用されることが多いのですが2023リミテッドエディションではピート麦芽を使用しています。2018〜2019年に仕込みを行い蒸留。熟成樽はシェリーカスクの他、米焼酎メローコヅルの熟成に使用したアメリカンホワイトオーク樽リチャー(焼き直し)した焼酎リチャーカスクをメインにその他複数の樽をヴァッティングしています。冷却濾過無しのノンチルフィルタードで、アルコール度数は59度のカスクストレングスです。熟成年数表記はありませんがおそらく3年〜5年の間くらいでしょうか。

 箱の裏には以下の文書が記載されています。

「ジャパニーズウイスキーをさらに豊かに、まろやかに。日本で最も長く続く、白く美しい砂浜沿いに嘉之助蒸溜所はあります。雄大な東シナ海を望む風光明媚なこの土地は、かつて2代目小正嘉之助が蒸溜所を建てようと夢見て建てようと夢見て手に入れた場所でした。その大いなる冒険に挑む想いを受け継ぎ、新たなるウイスキー造りへの挑戦を続けていく拠点としたのです。
 『シングルモルト嘉之助2023 LIMITED EDITION 59% 700ml』は嘉之助蒸溜所で製造されたシングルモルトジャパニーズウイスキーです。2018〜2019年にピート麦芽で仕込み、焼酎リチャーカスク・シェリーカスクにて熟成した原酒をメインに、複数の樽をヴァッティング、カスクストレングスでボトリングしました。メローな甘さと余韻の長いスモーキーフレーバーをお楽しみください。 マスターブレンダー小正芳嗣」

 ちなみにボトル本体にも上記文章後半が書いてありますので是非読んでから飲んでみましょう。
 箱を開けるとボトルは専用の黒い包み紙に包まっています。箱の表面はデザインに合わせてザラザラとした手触りに加工されています。


  • シングルモルト嘉之助
リミテッドエディション2023 実飲
IMG_7890
 なかなかシンプルながら洒落たデザインで、ボトルのヘッドの方は蒸留器をイメージしているのだとか。コルク蓋部分の木材は高級感があり鶴の頭の形の線が彫られています。
 液色は熟成年数が少ないながらもかなり濃い色合いをしています。

  • シングルモルト嘉之助
2023リミテッドエディションの香り
 開けたてはやや香りは閉じていました。うっすらブドウのような香りはするものの2週間ほど経っても閉じ気味な印象。注いでからしばらくすると銅、蜜蝋、ニス、甘い樽香、潮の香りと徐々にノッてきました。

  • シングルモルト嘉之助
2023リミテッドエディション
 味はかなりビリビリーッとスパイシーさが口の中を刺しまわります。しかしお味もまたそれに負けないくらいしっかりしています。レーズン、煮て少し焦げたくらいのリンゴ、焼きバナナ、オレンジピールのビターなど少し変化球なフルーティー。それらと同時に黒蜜、ドロっと豪快にぶっかけたみたらし、出汁、火のついた蝋燭。余韻にはみたらしの主張が続き正露丸、麦の広がりのある甘さを感じます。
 お水を少し足すと香りは蝋や煙たさが強くなり黒蜜の味わいが前へと出てきます。特有のビターが余韻に。刺激はかなり落ち着きはしますがそれでもジワリビリリときますね。
 トワイスアップくらいまで加水をするとようやく刺激は落ち着き、金属感や出汁醤油の味わいをゆっくり楽しむことができます。

  • 嘉之助2023ハイボール
IMG_7889
 今回はウィルキンソンではなくアイリスオーヤマ富士山の強炭酸水(ラベルレス)でハイボールを作りました。
 飲み口は爽やかな青リンゴなどを感じますが、途中からガラッとあの濃い黒蜜感が現れます。飲みづらさは感じませんが焦げたような香りと煮詰めたような味わいが個性的なハイボールとなります。やや濃いめに作るとストレートの時に感じる燃えている蝋燭のような香りがしてこれもまた面白いです。


  • シングルモルト嘉之助
2023リミテッドエディションの感想


香り:★★★★☆☆

味:★★★★★☆

ハイボール:★★★★☆☆

面白さ:★★★★★★

デザイン:★★★★☆☆

コスパ:★★★☆☆☆

宅飲みオススメ度:やや低い

総合点:★★★★★☆

カイ太郎コメント:癖は強いがめちゃくちゃ面白い話をしてくれるタイプの人みたいなウイスキー。

  • 感想
 とても個性的で挑戦的なウイスキーでした。複雑な味わいの中にここまで出汁やみたらしのようなニュアンスを強く感じるウイスキーは中々お会いできないと思うので、今までウイスキーを何種類か飲んできた上で興味ある方は是非お試ししてみてほしい一品です。
 入手困難であることや個性が強いこと、ストレートからの加水を一度試せば色々特徴を掴めることからBARなどどこかでまずは1杯味見してみることをオススメします。ハイボールも悪くはないですがまずはストレートでどうぞ。
 好き嫌いが別れる味かもしれませんが、個人的にはウイスキーフェス以来かなりお気に入りのボトルでした。今回購入し、飲み直してもそれは変わりませんでした。国内の新興蒸溜所では私的イチオシ銘柄です。




※ご指摘やご意見などがございましたらお気軽にコメントいただけると助かります。