本日のお酒はこちら!

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エドラダワー10年です。

 次はこれ開けようと言いながら、なんだかんだで後回しにしてしまっていましたが、ようやく開ける時がきました。お前の苦労をずっと見ていました。
 濃いめのシェリー樽系ウイスキーが好きなので色々試している途中なのですが、そういう話の中で結構名前が挙がるのがこのエドラダワーなんですよね。今回は私の好みに刺さるのか、ワクワクドキドキの開封です。


  • エドラダワー10年の概要


・種類:ウイスキー

・カテゴリー:シングルモルト スコッチウイスキー

・価格:7000円前後

・定価での入手難易度:普通

・アルコール度数:40度

・特徴:エドラダワーは、スコットランドのハイランド地方​の南側内陸にあるエドラダワー蒸溜所で作られるウイスキーです。エドラダワー10年は当銘柄の最もスタンダードなボトルです。

 エドラダワー蒸溜所は1825年創業の老舗です。経営者の交代や閉鎖などピンチに見舞われることもありました。
 蒸溜所の生産部門スタッフは3名であり、多くを手作業で行うことから生産量は年間9万リットルで、平均的なスペイサイドの蒸溜所と比較すると40分の1程度らしいです。それに対し年間の観光客数は約10万人と最も多くの観光客が訪れる蒸溜所のひとつです。つまりは生産量が少ないのに知名度が高い蒸溜所と言えそうですね。
 2018年には第二蒸溜所を建設し生産量は一気に増えています。とは言っても小規模生産であることには変わらず、、。貴重なお酒です。
 ちなみに2002年からはオーナーがボトラーズで有名なシグナトリー社となっています。エドラダワーはボトラーズからのリリースが豊富なのも納得ですね。

 エドラダワー蒸溜所では原料となる麦の製麦は1990年以降行われていないので外部から購入しています。基本的にはピートで燻さないノンピート麦芽を使用します。仕込み水はベンヴラッキー山の湧水です。
 伝統と手作業に重きを置いているため、1900年から使われるオレゴンパイン製の発酵槽(ウォッシュバック)や旧式の鋳鉄の糖化槽(マッシュタン)などを現代でも使用しています。糖化槽に残る麦芽のカス(ドラフ)は人力でかき出しているそうですよ。
 また、発酵を経て出来上がった麦汁を冷却する装置は1934年製モートン式ウォーツクーラー(銅管内で冷却する1880年頃発案された仕組み)を2009年まで使用していました。
 蒸溜器(ポットスチル)はストレートヘッド型バルジ型と呼ばれるものが2つずつ稼働していて、蒸留したものを冷却する際にはワームタブという装置で時間をかけて冷やします。手間がかかる旧式の方法ですが、味わいに重みが出るとも言われていて、日本ではニッカウヰスキーの余市蒸溜所でもこのワームタブが採用されています。
 エドラダワー10年は主にバーボン樽オロロソシェリー樽で熟成された原酒をヴァッティングしてつくられています。エドラダワーのフラッグシップ的ボトルですね。
 アルコール度数は40度で樽熟成は表記のある通り最低10年以上されています。

 よくオススメされますよね?エドラダワー。私もシェリー樽系ウイスキーが好きと言うとよくオススメされていたのですが、意図せずヒュンヒュン避けてここまで来てしまいました。ようやくいただくことができます。


  • エドラダワー10年 実飲
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 エドラダワーは「エドレッド王の小川」「2つの小川の間にある地」などを意味するゲール語が語源とされていますが詳しくは不明です。
 アルコール度数は40度の無着色なのにこの濃さ。色が美味そうですよね。かなり赤みもありますがダークブラウンというか。
  • エドラダワー10年の香り
 食パンに塗られたいちごジャム、朝飯の風景。カシス、レーズン、微かにミントやローズマリーのハーブ香。石鹸、ダークラム、程よい焦げと香ばしさ。どこか古酒のような印象。

  • エドラダワー10年の味
 ブラウンシュガー、ブラックベリー、ブルーベリーの果汁感というよりはエキスっぽさ。一瞬通りすがるブドウの渋さはすぐにミルキーとも言えそうな味や口当たりで包みこまれますね。無糖のカフェオレ、ややブラックペッパーのようなスパイシーさ。焦がしみたらし、年季の入った木、大木の香りと余韻。まろやかな舌触りですね。刺激は開けたてでもあまり気になりません。
 少し加水をすると黒蜜やレーズンのような甘さが広がりますね。果実香の他にラベンダーのような濃い色の花も若干余韻にかけて感じます。トワイスアップにすると飲みやすさはありますがちょっと薄まりすぎたようにも感じます。
 ロックにすると蜂蜜のような甘さ、スパイシーさ、特有の木香りや全体的な重さがそれぞれ主張してイイ感じの1杯が出来上がります。

  • エドラダワーハイボール
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 このブログなのでね、ハイボールにもしちゃいますね。合うかどうかは飲んでから考えましょう。いただきますガブリ。
 ややモッタリ感やじんわりした渋味があります。しかし意外といけますね。ミルキーさと黒いベリーのニュアンスがイヤミをそこまで感じさせません。ハイボール大好きな人は一度試すのも良いかも、、?!


  • エドラダワー10年の感想


香り:★★★★★☆

味:★★★★☆☆

ハイボール:★★★☆☆☆

面白さ:★★★★☆☆

デザイン:★★★☆☆☆

コスパ:★★★★☆☆

宅飲みオススメ度:やや高い

総合点:★★★★☆☆

カイ太郎コメント:予想外の落ち着きと、どこか懐かしさ漂うようなウイスキー。

  • 感想
 複雑かつ落ち着いた味わいのダンディな1杯でした。シェリー樽熟成のウイスキーとして有名で、しかもあの液色。色々なレビューを読んだりして「かなり濃厚な甘さなんだろうな」と身構えていたのですが、個人的には意外と甘さのパンチは感じなかったです。ハチミツやレーズン、煮詰めたベリーなどよくテイスティングノートで見かける香味は感じますが、それは味覚からというより香りや舌触りなど口の中に広がる他の感覚が、それらの食べ物を連想させてくるかのようで、お菓子やデザートのように甘甘〜なウイスキーとはまた違うんじゃないかなというのが私の感想でした。
 クリーミーとも称される口当たりはとても円やかで、10年という慣れてくると特段長熟とも思わない表記ながらもそれ以上の熟成感で満足度は高いです。軒並みウイスキーは値上がりしていますので、エドラダワーも少し前より高くなってしまいましたが、コストパフォーマンスは良い方だと思います。
 オススメの飲み方はストレートからの少量の加水です。元々40度ということもあり、そこまで沢山加水はしない方が私は好みでした。
 それで気になってくるのはエドラダワーのカスクストレングスや他の樽構成の商品ですね。幸いボトラーズにも恵まれた銘柄なので、カイ太郎がまたエドラダワーに出会う日はそう遠くないでしょう。






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