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アバフェルディ12年です!

 飲もう飲もうと思ってたら、いつのまにか入手困難になっていたボトルです。その背景には色々面白いことがあったのでそれは最後にお話しするとして、ようやく価格が落ち着いたタイミングでサッと購入できました。じっくり楽しむとしましょう。


  • アバフェルディ12年の概要


・種類:ウイスキー

・カテゴリー:シングルモルト スコッチウイスキー

・価格:6500円前後

・定価での入手難易度:やや高い

・アルコール度数:40度

・特徴:アバフェルディは、スコットランドのハイランド地方南側にあるアバフェルディ蒸溜所でつくられるシングルモルトウイスキーです。今回ご紹介するアバフェルディ12年はラインナップ中、最もスタンダードなボトルです。

 有名ブレンデッドスコッチであるデュワーズってありますよね。多くの方が飲んだことあると思うのですが、アバフェルディ蒸溜所はそのデュワーズ創業者の息子アレクサンダー氏によって1896年に建てられました。現在はバカルディ社の傘下にあります。
 アバフェルディといえばデュワーズ。デュワーズといえばアバフェルディってイメージですが、それもそのはず、デュワーズのブレンド用原酒をつくるためにアバフェルディ蒸溜所が建てられたのです。
 現在でもデュワーズのキーモルトとしてアバフェルディの原酒が採用されています。また、以前ご紹介した「ブラック&ホワイト」のキーモルトにもなっています。

 実はアバフェルディが初のシングルモルトとしてリリースされたのは、みんな大好き「花と動物シリーズ」として登場だったみたいですね。バカルディ社の前にUD(現ディアジオ)社がアバフェルディ蒸溜所を保有していたので、その時代に発売されていました。

 アバフェルディは、大きなシベリアカラマツ製ステンレス製それぞれの発酵桶を使用しています。蒸留器(ポットスチル)は背が高く、スッキリとした酒質をつくります。
 1970年代頃まではピーテッド麦芽の使用やフロアモルティングをしていたそうですが、現在はノンピートの麦芽を購入しています。
 アバフェルディの熟成にはほとんどアメリカンオークのバーボン樽が使用されています。熟成庫は蒸溜所から少し離れたグラスゴー及びその近郊にあるそうで、これからも増築されるみたいですね。今回のアバフェルディ12年は、表記の通り最低12年は樽熟成されています。アルコール度数は40度です。

 ただ、ここまできて、、、悲しきかな。アバフェルディ12年をはじめとした16年や21年は日本で終売になるそう、と言うか2024年になったみたいです。かなりメジャーなウイスキーだと思うので、すぐに再販してくれると良いのですが、、、。


  • アバフェルディ12年 実飲
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 アンティークなデザインというべきか、西部劇のポスターみたいなデザインだなぁとか思っていました。全くアバフェルディを知らなかったらバーボンかも?と思っちゃいそうなデザインです。液色はシンプルなゴールド。

  • アバフェルディ12年の香り
 柔らかなバニラの甘い香り。ジューシーな蜜リンゴ、程良い穀物感や樽香。キレもよくクセもなく。スッキリスタンダードなウイスキーらしい香り立ちです。

  • アバフェルディ12年の味
 やはり熟したリンゴの甘さが心地よく感じますね。バニラアイスを添えて。キャラメルクッキー、滑らかな舌触り。アルコール刺激はあまり気になりません。後半はうっすら樽のビターとドライな余韻。
 加水をすると穀物系の甘い風が吹きますね。秋の麦畑。お味はリンゴがより強くなりました。少し干しリンゴみたい。
 ロックで冷やして飲むと、りんごが若返るような印象を受けますが、これもアリですね。

  • アバフェルディハイボール
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 アバフェルディはこれが人気ですよねやっぱり。それガブッと、、!
 美味いですね。特別感というよりオールラウンダーなハイボールです。流石ですね。年季のある木の味わいやキャラメルの甘さを感じつつもキレは良く。意外とリンゴっぽさの主張は落ち着きますね。


  • アバフェルディ12年の感想


香り:★★★★☆☆

味:★★★★☆☆

ハイボール:★★★★☆☆

面白さ:★★★☆☆☆

デザイン:★★★★☆☆

コスパ:★★★☆☆☆

宅飲みオススメ度:普通

総合点:★★★★☆☆

カイ太郎コメント​:基準となるような美味しいシングルモルト。ウイスキー旅のためにも通るべき1本。

  • 感想
 素直で美味しいウイスキーでした。口にモヤっと残るようなクセはなく、心地よい果実感としっかりした甘さ、樽由来の年季も感じられてコスパに優れたボトルです。
 飲み方も選ばず。やっぱハイボール試したいよって人は遠慮なくガブついちゃいましょう。
 価格は結構最近まで3000円、4000円台だった気がするのですが、一時期はネットで10000円を超えていた時もありましたよね。今は少し収まりましたが、終売の報せもあり価格の動向は読みづらいです。不安定な情勢だからこそ、飲める時飲みたい時にガブっとやっちゃってほしいウイスキーでした。

 アバフェルディのレビューはここまでです。ありがとうございました。ここからは自分語りパートです。不快に感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。ご容赦ください。

  • 自分語り
  ここでわざわざ掘り返すこともないと思われるかもしれませんが、このボトル、最近あることで界隈では話題になっていましたね。
 というのも、とある投稿でこちらのボトルを紹介した後に値段がすごい勢いで吊り上がり、4000円くらいから12000円くらいになりました。約3倍!それでも売れたのか、フリマサイトはアバフェルディ12年で一時的に溢れかえりました。この価格の変動が、YouTubeで紹介されたことに必ずしも繋がるわけではありませんが、仮にこれが原因だとしたら、SNSの力や需要の増加には恐ろしいものを感じましたね。

 今回の論点となるのはアバフェルディ12年が「シングルモルト山崎」を「買えない」人向けに紹介されたという点です。○○が好きな人には、このウイスキーもオススメ!という話とはまた少し違うニュアンスに感じませんか?

 私は、別にどんな味わいに感じてもどう紹介してもいいよなって基本的には思っています。しかし、今回はちょっと複雑な問題なので、自分の意見が分からなくなっちゃいました。

 一呼吸おいて考えてみます。山崎とアバフェルディの共通点はシングルモルトウイスキーだという点。味が似ているなと思う人がいるということ(少なくとも比較可能という点)。その上で私個人の意見をまとめると、、、。

 全く意味が分からないです。なぜ山崎を比較対象とするのかも訳が分からないですし、そもそもアバフェルディを飲むにあたって、山崎の名前を出す意味が分からない。味が似ているかと問われると同じウイスキーであるという括りはありますが、アバフェルディや山崎を知っているほどのウイスキー好きであれば「???」となるのでは?
 結局、山崎を飲みたい人は、実際にシングルモルト山崎を飲まないと満足はできないでしょうし、アバフェルディはアバフェルディで美味しいウイスキーであるという捉え方で良いと思います。そもそも山崎というブランドのパワー、ネームバリューを求める人がいたとしても、それはアバフェルディを飲んで満たされるものではないでしょう。
 山崎を飲んだことがない(又は覚えていない)方に向けての場合、山崎がどんな味か知らない→アバフェルディで代用しようという考えを発信することは、見方によって山崎にもアバフェルディにも失礼な考え方なのでは?というのが個人的見解です。
 逆に、山崎を普段から飲んでいて、どうしても経済的に厳しいから晩酌酒をランクダウンしたい→アバフェルディがオススメだよ。という流れに近いのかもしれませんが、こういうパターンに当てはまる方はかなり少数かと。
 あくまでも似ていると感じること自体は自由だと思っています。
 
 今のようなジャパニーズウイスキーブームの真っ只中である状況で、このような影響力がある発信を見てしまうと、ブランド名を振り翳したナニかに見えてしまいます。今回のように私、我慢できずアレルギー反応を起こしてしまいました。

 ここでセルフツッコミを入れてみましょう。人は何かと何かを常に比較しているだろうということです。ナニに比べて美味しい、アレに比べて安い、ソレに比べて苦い等々。私もそのように比較しながら評価をしていることもあります。これはウイスキーに限った話ではないですよね。今回は偶然、山崎とアバフェルディを比較しただけだというお話。
 それは承知の上で、ウイスキーファンは最早そんな単純なステップにいないでしょうと思うのです。一見するとウイスキーというカテゴリーの中の話ですが、その中で更にシングルモルトだのスコッチだのとカテゴライズして、今ご自身が口に入れるウイスキーを把握しているでしょう。そうした時に全く違うジャンルを引き合いに出して、しかも他の欲や話題性まで絡まされると、純粋な味わいの比較と言えなくなってしまうのではないでしょうか。話題となった2024年時点での「山崎」というネームバリューだからこそ、そう思います。


 、、、少し熱くなってしまいましたが、中々この話題に関するお話がリアルではできていないので拗らせてしまったかもしれません。皆様の山崎アバフェルディ問題についてご感想がありましたらコメントいただけると大変参考になります。

 






※ご指摘やご意見などがございましたらお気軽にコメントいただけると助かります。