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グレンモーレンジィ
ネクタドールです!

 グレンモーレンジィの中でも結構オススメされることが多いネクタドール。狙っていたわけではないのですが、割と最近このボトルもリニューアルされました。そのため厳密には旧ボトルということになりますが、すっとぼけて現行品レビュー面しながら書いていきます。


  • グレンモーレンジィ
ネクタドールの概要


・種類:ウイスキー

・カテゴリー:シングルモルト スコッチウイスキー

・価格:8000円前後

・定価での入手難易度:やや高

・アルコール度数:46度

・特徴:グレンモーレンジィは、名前にある通りグレンモーレンジィ蒸溜所で生産されるスコッチウイスキーのシリーズです。
 グレンモーレンジィ蒸溜所は1843年にスコットランドのハイランド地方に設立されました。グレンモーレンジィは数多くの蒸溜所があるハイランド地方でもシングルモルト販売数1位を誇ります(スペイサイドを除く)。特にスコットランド国内では最も飲まれているシングルモルトとされていて、スコッチを代表する銘柄と言っても過言ではないでしょう。

 グレンモーレンジィの特徴としては、まず蒸留器(ポットスチル)の形状で、世界のウイスキー蒸留器の中で最も背が高いとされています。その高さは5m以上であり、キリンとほぼ同じ高さであることから、よくグレンモーレンジィにはキリンがシンボルマークとして登場します。これが、クセのないクリアな味わいを作り出すのに一役かっています。
 他に、大きな特徴としては樽熟成の技術が挙げられますね。よくグレンモーレンジィは「樽のパイオニア」なんて呼ばれることがありますが、名前の通り先進的で革命的な熟成方法を生み出してきました。例えば今では馴染みあるバーボン樽を初めて使用したのもここですし、後熟追熟カスクフィニッシュなど呼ばれる、一定期間樽熟を行った原酒を別の樽に移し替えて再度熟成し香味付けをする技術も導入しました(諸説あります)。
 その他詳しくは、過去にいくつか投稿してきました「グレンモーレンジィ」のタグをご参照ください。

 今回ご紹介するネクタドールは、そんなカスクフィニッシュの世界を体感できるシリーズの一つです。10年ほどバーボン樽で熟成をした後に、追加でソーテルヌワインという極甘口の貴腐ワインを熟成させていた樽で、2年ほど熟成をします。
 貴腐ワインって?と思う方も多いでしょう。辛口ワイン用のブドウの果皮に、貴腐菌というカビの一種を感染させて、陽当たりの良いところで乾燥させます。そうすることで、糖分が凝縮された貴腐ブドウが完成するのだとか。
 この貴腐ブドウを使ったワインがつまりは貴腐ワインなのですが、その中でも特に有名なものとして、ハンガリーのトカイ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ、そしてフランスソーテルヌ三大貴腐ワインとされています。ソーテルヌワインについての詳細はこちらから。

 アルコール度数は46度と他シリーズと変わりません。冷却濾過なしのノンチルフィルタードです
 2024年には、スタンダードモデルのグレンモーレンジィオリジナルが、グレンモーレンジィ12年へとリニューアルしました。そして2025年の頭から、他のグレンモーレンジィシリーズも順番にどんどんリニューアルされました。今回のネクタドールも2月からグレンモーレンジィネクター16年という名前に変わりました。熟成期間が伸び、年数も表記されるというこの時代には珍しい変更点ですね。その代わりお値段も上がりました。
 そのため、今後このネクタドールの方は少しずつ見る機会が減るかもしれません。お別れパーティーのつもりでいただきます。


  • グレンモーレンジィ
ネクタドール 実飲
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 黄金のラベルに黄金の液色ですね。キレイ。ネクタドールは、神の酒を意味する「ネクター」と、フランスで黄金を意味する「ドール」を合わせた造語みたいです。


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 リニューアルしたグレンモーレンジィ12年(写真右)と比較してみます。液色はやや濃いです。

  • グレンモーレンジィ
ネクタドールの香り
 中々に濃い香り立ち。比較的瑞々しさの残るセミドライな干し葡萄。ユリの花、嫌味のない香水、白桃ソルベ。背景には明るい色合いの新しい木材をしっかり感じます。

  • グレンモーレンジィ
ネクタドールの味
 ケーキシロップ、白桃とレモンのタルト、重すぎないレーズン、僅かに焙煎したビター。余韻はジューシーな果実、白桃の煙。なんか既視感あるんですよね、先日食べた白桃ガレットサンドを強く思い出しました。グラスの残り香はより温もりを感じ、パンケーキのようなイメージが掻き立てられます。 
 加水をすると更にシトラスや花々の香りが強まります。お味は桃へと整います。アルコール刺激は消えますね。

  • グレンモーレンジィ
ネクタドールハイボール
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 もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、このネクタドール、2年前の「北海道ウイスキーフェス」で飲んでいて、ハイボールにしたら美味そうとか書いていたんです。答え合わせがようやくできます。ガブガブ!
 パァっと蜂蜜の強い甘みが広がります。余韻までも甘い甘い、、。ただし途中から樽材系の苦味も出てきて甘いような苦いようなって感じになります。基本はモワッとした蜂蜜なんですけどね。予想に反して独特なアルコール感も変に残ってしまいました。ガッチガチに冷やして飲むとそれらは気にならなくなりますが、、、。


  • グレンモーレンジィ
ネクタドールの感想


香り:★★★★★☆

味:★★★★★☆

ハイボール:★★★☆☆☆

面白さ:★★★★☆☆

デザイン:★★★★☆☆

コスパ:★★★☆☆☆

宅飲みオススメ度:やや高い

総合点:★★★★☆☆

カイ太郎コメント:ネクターネクター、香味は抜群に貴族なウイスキー。

  • 感想
 美味いです。飲む香水かの如く、しかも人工的な感じもしない非常にエレガントな1杯。日本人が思うネクター的な名前がとてもマッチする白桃のウイスキー。ウイスキーフェスで飲んだ時から好きでした!付き合ってください!、、、となる予定でしたが意外にハイボールとの相性は微妙でした。当時のブログにはハイボールにしたいとか書いていて、やはり一本買って飲まないと分からないものですね。ボトル買いの価値を再確認できました。
 と、言うわけで「5つ星★にしよ〜」とか買う前から考えていた贔屓のボトルでしたが、結局4つ星★に落ち着きました。ゴメンねネクタドール。
 ただし、別に期待はずれとかそういうことはなく、改めて美味いウイスキーだなと再確認できました。この花、この果実。イメージ的には遠くに見える桃源郷です。下手にいじらない方が良いのかも知れません。ストレートでまずはお試しいただくことをオススメします。
 価格も、、、とりあえず私が買った時は文句なしでした。ネクター16年となった今はまたそちらも飲み直さないとなんとも言えないですね。でも下手な一万円レベルのウイスキーと張り合えるほどのポテンシャルはあります。買って後悔するということはなさそうですね。
 やっぱり気になったウイスキーはチョコチョコ飲まないで、色々飲み比べたり、満足するまで舌に覚えさせるまで飲まないと見えないこともあるんだろうなと思いました。ボトル買いの魅力がホントこれなんです。





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