当記事は前回の「カイ太郎の晩酌日記 ウイスキーの聖地を探してⅥ(クライゲラヒ)」の続きとなります。
 前回はロンドンからエディンバラインヴァネスエルギンを経由してクライゲラヒのハイランダーインに到着するという移動パートでしたね。今回はそこで1泊してからマッカラン蒸溜所に行ったことをお話しします。

  • ザ・マッカラン蒸溜所
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 クライゲラヒからマッカラン蒸溜所まで、直線距離はとても近いのですが、スペイ川を渡るため大きく迂回して橋を通る必要があるため車が必要でした。ということで現地のタクシーであるCraigellachie Carsという家族経営の会社に事前連絡をしてハイランダーインまでお迎えに来てもらいました。事前にその日巡りたいルートと時間をメールで連絡すると、すぐに返信があり料金までも明確に教えてくれました。価格もとても良心的で、ハイランダーインでもオススメしているタクシー会社みたいです。
 予定通り10時半にタクシーがハイランダーイン前に到着し、マッカラン蒸溜所に向かいます。車内では「クライゲラキ」ではなく「クライゲラヒ」と発音することや、マッカランも「マッカーラン」と発音することを教えてくれました。うーんネイティブな発音はやはりカッコいいです。車で15〜20分ほどで到着しました。周りは写真のようにハイランド牛がたくさんいる草原と森が広がっています。

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 敷地に入ってすぐのところにはマッカランのボトルにも描かれているイースターエルキーハウスがあります。1700年にジョングラント大佐が建造した邸宅で、改修を繰り返しながら現在に至ります。2005年からはゲスト用宿泊施設もできたそうです。マッカランのオモテナシの象徴として、蒸溜所関係者の心の拠り所として建っている姿は美しかったです。
 ちなみに隣には赤いベントレーが停まっています。これは2024年にベントレーの内部構造をもとにデザインされたコラボボトル「ザ・マッカラン ホライズン」が登場していますが、それを記念した車なのだとか。ロールスロイスと言われたりベントレーとコラボしたり本当に高級感がありますね。

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​ すぐ近くには実際にウイスキーをつくっているマッカラン蒸溜所があります。マッカラン蒸溜所はハイランドでも2番目に国から公式に製造を認められたウイスキー蒸溜所であり、1824年にライセンスを取得し製造を続けています。肥沃な土地を意味する「マグ」と密接な関係にあった教会の修道士に由来した「エラン」を合わせてマグヘランとこの土地は呼ばれていましたが、歴史の中で発音や綴りが変わっていき現在のようにマッカランと呼ばれるようになりました。ちなみに設立当初はエルキー蒸溜所という全然違う名前でした。
 この山と一体化したような建物は2018年にリニューアルオープンした新蒸溜所で、自然環境を可能な限り守るためのデザインとなっています。私がロンドンに到着した時登場したヒースロー空港の第5ターミナルをデザインしたRSHP社が設計していて、このような近未来的デザインがお得意みたいですね。
 蒸溜所の特徴としては、スペイサイド最小のポットスチル(単式蒸溜器)を使用して、初溜釜12基、再溜釜24基という大規模な設備で蒸留を行います。
 また、マッカランはシェリー樽のイメージが強いと思いますが、そこには並々ならぬこだわりがあります。自社管理の森林から採れたヨーロピアンオークの木材で樽作りをします。出来上がった新樽をスペインのヘレスに送り、そこのゴンザレスビアス社の元、オロロソシェリー酒の熟成を3年ほど行いマッカランのシェリー樽を完成させます。HPには更に12〜18ヶ月寝かせるとも書いてありました。
 他にも原料となる水はスペイ川の伏流水であるリンゴルムの井戸水を使い、麦はマッカランの指定農園がつくる大麦を使用します。麦の品種はメインであるゴールデンプロミス種が有名ですが他にも多種多様な品種も生産し使用します。
 このように生産過程の詳細まで細かく蒸溜所が管理してこだわりつくしたウイスキーになるわけですね。
 そのような手間や、エレガントな味わいから、ハロッズのウイスキー読本というもので「シングルモルトのロールスロイス」と表現されました。実際価格的にもかなり高級品が多く、2026年現在最も高額で落札されたウイスキーも「ザ・マッカラン1926(60年熟成)」で、その価値は約4億円でした。そのため、マッカランは最も高級なウイスキーとその蒸溜所といっても過言ではないでしょう。
 シングルモルトスコッチの販売量としてはリヴェット、フィディックに次いで3位とされていて、日本への輸入量にいたっては1位みたいです。日本ではサントリーが販売代理店となっているので身近なイメージもありますね。

 過去に当ブログではいくつかマッカランをご紹介してきましたので「マッカラン」タグからぜひご覧ください。

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 近づくとこんな感じ。色々な花や木が蒸溜所の周りにて栽培されていました。2枚目は蒸溜所の裏から撮影したものですが、ご覧の通りどこから見ても地形と一体化したようなつくりをしています。

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 いざ入るといきなり未来的な空気に。さて、マッカラン蒸溜所は基本web予約を事前にして入るのですが、コースが色々ありまして、マッカランバーやレストランを楽しむコース、その時期に限定発売されているマッカランに着目した特別コース、夜の部としてマッカランご自慢のオリジナルカクテルを飲み比べるコース、マッカラン蒸溜所を眺めながらスペイ川で釣りをするコース、はたまた宿泊までできるコースなんかもあります。どれも有料でかなり高級なため通常の蒸溜所見学コースを予約したかったのですが、1ヶ月前には完全に埋まってしまっていて予約がとれませんでした、、、。最近マッカラン蒸溜所に行った人の話だと、2〜3ヶ月前くらいからもう結構埋まってるとのことで出遅れてしまいました。
 しかし何かしらに予約をしとかないと施設内にすら入れない恐れがあったため「パーソナルショッピング」というコースで予約しました。これはマッカランの職員が貴方にぴったりの品物をオススメしますということで、少なくともお土産屋さんには入れそうなので予約しました。しかも価格は無料です。
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 入ってすぐに蒸溜所の人に声をかけられました。予約時に出てきたQRコードと情報を見せるとすぐ横のショップに案内されます。非常に丁寧で、飲み物もサービスしてもらいました。

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 アールグレイティーを注文しました。普段紅茶はたまにしか飲みませんが、正直今まで飲んだ紅茶の中でも1番美味かったです。他にお客さんはいましたが、静かな音楽の中で騒ぐ人などは誰もいなく、その雰囲気で緊張してしまいました。

 少し待っていると職員の方が来ました。パーソナルショッピングということで、本来はつきっきりでショッピングをしてくれるコースなのですが英語が分からない私は「やべぇどうしよう」となっていました。とりあえず本当に気になっていたボトルについてカタコトで聞きました。ボトルの詳細やそのフレーバーなどをとても丁寧に説明してもらえましたが、そのあとは察してくれたのか自由にショッピングをお楽しみください、なにかあればいつでも声をかけてくださいと言ってもらえました。ということであとはじっくり観察したいと思います。

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 マフラーなど衣類系のものも売っていますがウイスキーより高価です。ちなみにマッカランのマフラーは350ポンドなので75000円くらいです。プレゼントには喜ばれそうですね。マッカラン アートイズザフラワーという建築デザイナーとの限定コラボボトルが推されていました。価格は800ポンド。17万円くらいでしょうか。50度超えなのでかなり濃厚な味わいが楽しめそうなボトルですね。
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 様々な別ジャンルの芸術をテーマにした「マッカランハーモニーコレクション」の歴代は定価販売されていました。私も一本だけ「アラビカ」を過去にレビューしていますので、よろしければご覧ください。

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 私がお土産として購入を考えたのがこのマッカラン ホームコレクションリバースペイです。ホームコレクションという起源を祝うシリーズの第二弾がこちらのリバースペイで、詳細な構成は分かりませんがアメリカン&ヨーロピアンオークのシェリー樽熟成で、蒸溜所限定であることをショップの人から教えてもらいました。公式オンライン販売もあるそうですが、抽選販売とのことで、名前的にもせっかくこの地に来たなら買ってみたくなる一品でした。価格は290ポンド。6万円少々でしょうか。マッカランに来た時点で散財は覚悟していました。そのため意外に手に入りそうだな?と感覚が麻痺しながら思っていましたが、とりあえず一歩踏み止まりました。所持金には限りがあるんだぞカイ太郎よと。

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​ こちらもショップの真ん中でオススメされていました。マッカランと007のコラボボトル「ダイヤモンドは永遠に55周年記念」です。劇中で主人公のジェームズボンドがワインの知識を話す中で紛れ込んだ敵を見つけ出すシーンがあるのですが、そのシーンをテーマにアメリカンオーク樽の赤ワインシーズニング樽で熟成しました。マッカランがこのようにワイン樽を使うのは初の試みで味わいが非常に気になるところ。価格は600ポンドですので、13万円くらいでしょうか。
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 イスタンブール空港で見かけたディスティルユアワールドシリーズパリバージョン、あとはMデキャンタ各種がありました。真ん中の赤い本があるマッカランは創業200周年を記念して登場したテイルズオブマッカランvol2です。1949年蒸留の原酒が使用されていて2022年ボトリングされているため70年以上最長で熟成されています。純金の装飾がされている本は600ページ近くありマッカランのイラストが一つ一つ描かれています。謎に日本のサイトでは9万円くらいで買えるとか書いているところがありましたがとんでもない。約1800万円くらいかと思われます。誤植もいいかげんにしろ!(人のことは言えませんが)

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 様々な年代に蒸留されたシングルカスクがショップの壁に並んでいます。オソロシイ、、、。こちらは多分売り物ではないですね。

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 マッカランのグラスカクテルグッズです。こちらはかなり人気らしく、私の目の前でも手に取って見ているお客さんが多かったです。
 他にも12〜30年の各マッカランやレアカスクシリーズなどはたくさんショップに置いていました。25年や30年のマッカランを一度くらい飲んでみたいものです。

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​ ガラス越しにマッカランの製造設備をチラ見せしてくれます。この奥には巨大で広大なポットスチルなどの景色が広がりますが、それはツアーに参加しないと見ることができません。く〜っ!

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 ショップとは逆側に行くと歴代のマッカランが並ぶ絶景を見ることができます。

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 私と比べるとこれくらいの大きさ。これにはきっと誰でも「うわぁ、、、」とか「うぉぉ、、、」と言った声が漏れてしまうと思います。本当に圧巻でした。

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 最初期から現在まで、見たこともないラベルのマッカランがギッシリです。マグナムボトルのような巨大なマッカラン、中には1メートルくらいあるMデキャンタなんかも!そして竹鶴ノートならぬマッカランノートのような資料や絵、彫刻などの資料も飾られていました。

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 コレクションの中にはマッカラン72年ラリックもありました。こちらは新蒸溜所開設記念でつくられたマッカランの中でも当時最長の熟成期間を誇ります。マッカランでは珍しいピーテッドモルトも一部使われていて、アルコール度数は42度。600本限定販売です。現在は1850万円で販売されていました。

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 手に包まれているのはマッカラン ザ・リーチです。写真でしか見たことありませんでしたが実際、実物を目の前にすると本当に美術品としか見れませんでした。1940年蒸留の81年熟成とのことで記録を更新しました。彫刻家のサスキアロビンソン氏が3つの手を作成し、当時のウイスキー作り職人、そして所長、そしてこのボトルの製造責任者であるカースティンキャンベル氏を表しています。
 288本限定の商品で定価は92000ポンド。現在のレートだと1900万円ほどです。

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 蓮の花が開いたり閉じたりしているような動くケースがありました。こちらは創業200周年を記念して、何年も前に生まれたウイスキーを今飲むというようなタイムトラベル的感覚をテーマにしたザ・マッカラン タイムというシリーズです。現在までで最長を誇る1940年蒸留84年熟成の物と、2018年蒸留5年熟成の物がセットで入っています。200セット限定販売で定価2800万円でした。ちなみに200周年を記念したタイムシリーズはもう一つマスタリーというボトルが出ていて、14種類の樽から選抜された原酒をヴァッティングしたものとなっています。マッカラン200周年の節目は私のような庶民も少しは祝いたいものです。こちらマスタリーは20万円ほどと手の届きそうな価格帯です(感覚麻痺)。

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 その時々にあると思われるプロモーションスペースのような場所もあります。さぁ皆さん一緒に写真を撮りましょう。

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 その奥に進むとこのように製造設備があるのですが、ここからはツアーに参加しないと見ることができません。写真はBSフジウイスキペディア|マッカラン蒸溜所紹介のページを引用しています。このチャリチョコに出てきそうな世界を見てみたかったのですが、、、くっ。


  • お土産
 こんだけ何がいくらだの、これが貴重だの欲しいだの言いながらカイ太郎は結局何か買ったの?と思われるでしょう。さすがにせっかく来ましたのでここでしか買えない物。そして「これだ!」と欲しくなったものを買いました。それがこちら。
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 マッカランのテイスティンググラスです。通常のものとデザインは異なり、デカデカとMACALLANとは書かれていなく、プレートの部分にMとあるのが良いです。そしてやはりマッカランの特徴ともいうべき曲線美が素晴らしい。飲み口まで穏やかな波のように畝る形に一目惚れしてしまいました。どうやらスペイ川や蒸溜所の屋根をイメージしたラリック共同開発のハンドメイドであり価格は通常品より少しお高めの1万円ほど。ショップカウンターで「テイスティンググラス、、、」と言っても店員さんは「?」というような感じで、ノージンググラス、ウイスキーテイスティンググラスなど色々言ってみましたがうまく伝えられず、グラスでウイスキーを飲むような身振り手振りをすると通常品の方を持ってきていました。そのため売り場の方に着いてきてもらって直接商品を指差し「アイウォントトゥー、、、」というとすぐ伝わりグッド!とお会計に。しかしもう一つ欲しい品物があったのでモジモジしながら伝えます。

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​ ヴァルデスピノ・ヴェルモットオリヘンです。こちらはマッカランコラボ記念商品で、白ワインをベースにマッカランのバージンオーク樽にてベルモット熟成をしています。ハーブ、スパイス、フルーツの他モスカテルワインを8%混ぜているとのこと。かなり面白そうな内容ですがウイスキーではなくベルモットのため価格は17ポンド。4000円ほどと結構お手頃です。店員さんにはベルモットと伝えるとダメかなと思い「アンド、、、ヴァームース プリーズ」というとすんなり伝わりました。ボトルは飛行機に乗せても割れないような、かなりしっかりとしたワイン用梱包材に入れてくれました。
 こちらは日本だと中々お目にかかれないようですので貴重だと思います。クリスマスにでも開けようかしら。


  • まとめ
 そんなこんなでショッピングに時間をかけていると、ロビーにCraigellachie Carsのドライバーさんが腰掛けて待っていました。ソーリーソーリーと言いながら駆け寄ると「良いお買い物ができましたか?」と優しいお声掛け。

 マッカラン蒸溜所は全てが驚くべき壮大さで、世界一高級な蒸溜所なのだろうとしっかり伝わりました。端から端までマッカランの誇りがありましたね。見学や試飲はできませんでしたが、入り口近くをちょろっと見るだけでここまで圧倒されてしまいました。また来る機会があれば次こそは奥まで見学したいです。

 マッカランは私が22歳の頃、上司に連れられ初めてBARに行った時、そこで飲んで感動したシングルモルトでした。あまりに美味しくてその次の給料日には酒屋へマッカランを買いに行った記憶があります。そんな非常に思い入れのあるウイスキーなのです。こうしてマッカラン蒸溜所を見て、そこの空気を吸うことができたのは本当に嬉しかったです。

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 ちなみにマッカランはトイレも豪華でした!ドアがもうデカいです。最初は倉庫の入り口かと思いました。


 さぁ、タクシーで次の目的地に行きましょう。最初の問題の2つ目の答えとなる蒸溜所は、政府公認第1号の歴史的なところ。ザ・グレンリヴェット蒸溜所です。
 ではでは、次回「カイ太郎の晩酌日記 ウイスキーの聖地を探してⅧ(グレンリヴェット)」でお会いしましょう。


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